025514 ランダム
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ナインヘッド

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厚生労働白書

「安全」と「安心」の違いとは

 BSE(牛海綿状脳症)対策の全頭検査が緩和されるとの見通しを受けて、
自治体の大多数が信頼性を維持するために全頭検査の継続を表明した。
一部の牛を検査しないことで、市場全体の信頼性が失われるリスクを
避けたいというのが共通の思いであろう。

 全頭検査の是非はさておき、平成16年版『厚生労働白書』の
第1部「現代生活を取り巻く健康リスク-情報と協働でつくる安全と安心」は、
リスクマネジメントの視点で述べられており、参考になる。
特に、「健康に関する安全・安心」について、「安全」と「安心」をそれぞれ
次のように定義している。

・安全:障害を起こすリスク要因に対し、事前及び事後の対策が施され、
障害の発生を未然に防ぐことができる、または障害の程度を許容範囲に
止めることができる状態
・安心:個人の主観によって決まるものであり、「安全であると信じている」
状態

 「安心」は、安全を確保するための対策とその関係者に対する信頼を得て、
初めて達成されるものであるから、場合によっては、あるリスク要因に対して
科学的な見地から「安全」が十分に確保されたとしても、それだけでは「安心」
を得られないことがありうると指摘する。

 つまり、統計分析などによって得られる客観的リスクと消費者の心理などを
反映した主観的リスクの両方に対処して初めて、適切なリスクマネジメントが
達成されるのである。




平成16年版『厚生労働白書』 


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